鹿児島県の西、東シナ海上に浮かぶ甑島列島。
上甑島、中甑島、下甑島の3つの島が並んでいます。
この3つの島が有人島であり、そのほかに多数の無人島が周辺に点在しています。
一番北側に位置する上甑島の北部には、甑四湖と呼ばれる、
須口池、
鍬崎池、
貝池、なまこ池の4つの海跡湖が並んでいます。
なまこ池は、甑四湖の中でも最大の池です。
面積は約0.55[km^2]。これは、日本の離島に位置する湖沼としてはかなりの大きさになります。
もともとは海の入り江だった場所が、海岸の断崖が浸食されることによって崩壊し、その土砂が海へ流入。
波の作用で堆積していった土砂が砂州となり、遂には広大な海跡湖が形成されるに至りました。
なまこ池と海を隔てる長目の浜は、約2[km]にもわたりますが、その砂州の隙間から
海と池のあいだで水の出入りがあり、海の潮の満ち引きに影響されて、なまこ池の水面も若干上下するのだそうです。
ただし、そのタイミングは、海の干満からは3~4時間遅れる、とのこと。なかなか珍しい環境の池です。
東隣にある貝池とは、海岸付近にある水路でつながっており、こちらも水の出入りがあります。
基本的には、より水位の高い貝池から、水位の低いなまこ池に、水が流入しているそうです。
しかし、そんなつながりをもつ2つの池でも、水質は異なっているようで、生物相もかなり違うようです。
なまこ池には、その名の通りナマコが生息しています。江戸時代に長崎の大村湾から
このなまこ池にナマコを移入したとのことです。
訪問記1:2022/01/01
上甑島北部にある甑四湖の位置図。
なまこ池は、最も西側にある池であり、甑四湖のなかで最大の大きさです。
(「国土地理院 地理院地図」より 一部文字と線を記入
https://maps.gsi.go.jp)
県道352号線沿いの展望所。広大な海を見渡せる絶景ポイントですが、この奥には・・・
長目の浜と
貝池、なまこ池の見事な眺望が広がります。
貝池となまこ池を隔てる尾根の先端。
左が貝池、右がなまこ池。手前の浜が長目の浜です
2つの池の境界には駐車場があります。あとで、あそこにも行きます。
長目の浜展望所より。
ここからは、長目の浜によって海と切り離されている
鍬崎池、
貝池、なまこ池を一望できます。
手前に見えている池が
鍬崎池。
右奥に、
貝池となまこ池。
県道352号線からわかれて、小道に入りました。
この小道は、ちょうどなまこ池と
貝池を隔てる尾根上を通っており、
先ほど見たなまこ池・貝池の間にある駐車場が終点になります。
終点の駐車場に到着。右が
貝池、左がなまこ池です。
それぞれの池の方向に、それぞれの池の解説板が設置されています。
左を向けば、広大ななまこ池。
名前の通りナマコが生息しているそうです。
貝池となまこ池を隔てる道。
いちおう水はつながっていて、右の貝池から左のなまこ池に、ちょっとだけ水が流れていました。
基本的に貝池のほうが水位が高いそうなので、水は貝池からなまこ池に流れますが
風向きによっては逆流することもあるそうです。
そのまま進むと、海岸にも出ることができます。
ここが展望所からも見えていた長目の浜の海岸になります。
なまこ池の水面。わずかに波が立っていますが、
長目の浜の海岸とは比べ物にならないほどの静けさです。
海に近く、海と水の交換がありはするものの、全く別の環境を有しています。
いったん県道に戻り、そこから北西方面へ。なまこ池と長目の浜を見ながら進みます。
なまこ池を俯瞰、振り返ると遠見山がかなり遠くなりました。
奥になまこ池と長目の浜の北端が見えてきました。
左上には田之尻展望所があります。あそこが、終点です。
きみはトビじゃないですよね。
もしかして、ハヤブサ?
県道352号線と、なまこ池・長目の浜。
長く続いてきた長目の浜の果てに近づいてきました。
かつて入り江だったなまこ池を形成した砂州は、このあたりの崖から供給されたのでしょうか。
田之尻展望所から見る長目の浜となまこ池。
遠く、中央やや左よりに見える里の集落から、ここまで歩いてきました。
項目名 |
|
所在地 |
鹿児島県薩摩川内市 |
湖の成因 |
海跡湖 |
周囲総長 |
- |
面積 |
約0.55[km^2] |
最大水深 |
約22[m] |
貯水量 |
- |
標高 |
約0[m] |
河川 |
- |