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貝池

KAI POND

甑四湖のうちの1つ、特殊な層構造をもつ海跡湖

Lake Travelogue : #486
Update : 2022/01/22
貝池
概要
鹿児島県の西、東シナ海上に浮かぶ甑島列島。 上甑島、中甑島、下甑島の3つの島が並んでいます。 この3つの島が有人島であり、そのほかに多数の無人島が周辺に点在しています。 一番北側に位置する上甑島の北部には、甑四湖と呼ばれる、 須口池鍬崎池、貝池、なまこ池の4つの海跡湖が並んでいます。

鍬崎池、貝池、なまこ池の3つの池と、それらを形成する砂州は、県道352号線沿いの展望地から一望でき、 この砂州を「長目の浜」と呼んでいます。
長目の浜によって形成される3つの池は、それぞれ他の池と似た姿でありながら、異なる水質、生物相をもっているのが特徴とのこと。 特に、この貝池は、非常に特別な生物相をもっています。 池の上部5~6mまでは、雨水などによる塩分濃度の少ない水の層となっており、 6mより下は、春から夏の間に侵入した海水が停滞する層となっているとのこと。 下部の海水層は酸素がほとんどなく、硫化水素を多量に含んでいて、一部の特別な微生物しか生息できない環境だそうです。 さらに、その下層と上層の間には、約20cm程度の厚さで特別な光合成細菌、クロマチウムが密に分布しています。 このクロマチウムは赤紫色なので、赤紫色の層が広がっているそうです。地上からは5m下の水面の赤紫色は なかなか見えなかったですが、水面下に思いを馳せると、なかなか興味深いです。
貝池は、よく貝が取れるということで「貝池」という名前なのですが、深いところは二重底になっていると恐れられていたそうです。 まさに、貝池は上層と下層の二層構造の池であり、それが漁師の人のあいだでは共有されていたのかもしれません。

訪問記
訪問記1:2022/01/01
貝池
上甑島北部にある甑四湖の位置図。 鍬崎池、貝池、なまこ池を形成する砂州を長目の浜と呼んでいます。
貝池となまこ池は非常に隣接しており、2つの池の水はつながっています。 (「国土地理院 地理院地図」より 一部文字と線を記入  https://maps.gsi.go.jp
貝池
県道352号線沿いの展望所。広大な海を見渡せる絶景ポイントですが、この奥には・・・
貝池
長目の浜と貝池、なまこ池の見事な眺望が広がります。
貝池
貝池となまこ池を隔てる尾根の先端。
左が貝池、右がなまこ池。手前の浜が長目の浜です
2つの池の境界には駐車場があります。あとで、あそこにも行きます。
貝池
長目の浜展望所より。 ここからは、長目の浜によって海と切り離されている 鍬崎池、貝池、なまこ池を一望できます。
貝池
長目の浜を隔てて、波立つ海と静かな海跡湖が、明確に切り分けられています。
貝池
貝池を県道から俯瞰します。奥に、さきほど見た駐車場が見えます。
貝池
二層構造の水質を持つという貝池。地上からは、なかなかその片鱗はうかがい知れません。
貝池
湖岸の地形もなかなか複雑です。
貝池
貝池と遠見山。
貝池
県道352号線からわかれて、小道に入りました。
この小道は、ちょうどなまこ池と貝池を隔てる尾根上を通っており、 先ほど見たなまこ池・貝池の間にある駐車場が終点になります。
貝池
終点の駐車場に到着。右が貝池、左がなまこ池です。
それぞれの池の方向に、それぞれの池の解説板が設置されています。
貝池
右を向けば、貝池。
貝池
貝池となまこ池を隔てる道。
いちおう水はつながっていて、右の貝池から左のなまこ池に、ちょっとだけ水が流れていました。
基本的に貝池のほうが水位が高いそうなので、水は貝池からなまこ池に流れますが 風向きによっては逆流することもあるそうです。
貝池
静かな貝池。
貝池
見た目は似ているが中身は違う、2つの池がならぶ風景です。
地図とデータ
項目名
所在地 鹿児島県薩摩川内市
湖の成因 海跡湖
周囲総長 -
面積 約0.16[km^2]
最大水深 約11[m]
貯水量 -
標高 約0[m]
河川 -
動画
写真アルバム