高知県東部、太平洋にするどく突き出た室戸岬。
その室戸岬の山奥に、池山という山があります。その名前のとおり、池がある山なので、池山です。
その池山の頂上にある池を、出羽島大池と呼びます。
もともと池がある山だから池山なのですが、その池が出羽島大池と呼ばれているわけで、ちょっと不思議な感じです。
さて、この出羽島大池、幻の池と呼ばれています。
地理院地図や航空写真で見ると大きな池があるように見えるのですが、実際はほとんど水があることはない、幻の池だそうです。
普段は池ではなくただの草地で、雨が降った後など、水がまとまって供給されたときしか池ができないのだそうです。
私もかねてより出羽島大池の存在は知ってはいましたが、室戸岬という非常に遠い場所にあることと、
池に水があるのは限られた時だけ、という、池を見るのが難しい状況がそろっていたため、なかなか訪問できませんでした。
2022年末から2023年始にかけての遠征を計画しているとき、室戸池山についてもチェックをしてみました。
すると、10~11月の池山の登山記録を確認したところ、その期間はどうやら池の水がありそうだったこと。
そして、12月23日に高知でまとまった雪が降ったことが話題になっていたこと。
これらから、いま出羽島大池には水があるのではないか?と仮説を立てて、思い切ってチャレンジしてみました。
結果は、見事に大当たりです。
出羽島大池は、山の奥で見事一面に水を湛えていました。
低気温と水深の浅さのためか、池の水はわずかに凍結しており、水面には薄い氷が見られました。
池の畔から対岸にある池山神社を望む風景。ここだけ時が止まったかのような、まるで池のありそうにないような山の中に
大きな池がある光景は、私の心を強く打つものでした。
出羽島大池に至るまでの道は、あまり歩かれていないためか、土が固まっておらず、なおかつなで肩のトラバースのために、
なかなか難儀ですが、その道を歩いていくだけの価値は十分にある、素晴らしい池でした。
訪問記1:2023/01/01
牟岐港から約15分で、出羽島港に到着です。
この出羽島にある、大池という池を訪問することが、今回の目的です。
これから向かう大池には、シラタマモという藻類が生育しています。
世界で4か所にしか分布しない、貴重な植物です。
大池に向けて進むと、ほどなく集落から遊歩道へ入ります。
路傍に「蛇の枕」という看板がありましたが、特に何もなく・・・
あとで伺った話ですが、この場所には昔は小屋があったそうです。
ここで分岐があります。
直進すれば出羽島灯台方面。右折すると大池方面の海岸へ降りていきます。
右折して大池方面に行き、海岸に到達。
ごろごろした岩のある海岸の奥に、大池が見えてきました。
出羽島の大池。
手前に看板があり、この大池に生育しているシラタマモに関する説明が書いてあります。
シラタマモに関する説明看板。
世界でも北アフリカのリビア、インド洋のモーリシャス、太平洋のニューカレドニア、そしてここ出羽島の4か所でしか確認されていないそうです。
海がすぐそばにあるのですが、背後の海岸には岩が堆積しており、大池は海から切り離されています。
海のすぐそばなのに、違う世界であるかのような静かな池です。
残念ながらここからシラタマモが見えるわけではないですが、雰囲気の良い池です。
奥の山からくる山の水(淡水)と海からの海水が1:2で混じり合う、汽水の池です。
貴重なシラタマモの生育地ですし、手前に柵があるのでこれ以上は近づかないでおきます。
では、そろそろ大池を後にして、先ほど歩いていた遊歩道に戻ります。
港に戻ってきました。
穏やかな港の風景。奥に見える大きな建物は出羽島小学校跡です。
港にはたくさんの魚がいました。
船のそばをたくさん泳いでいて、見ていて飽きないです。
項目名 |
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所在地 |
徳島県海部郡牟岐町 |
湖の成因 |
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周囲総長 |
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面積 |
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最大水深 |
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貯水量 |
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標高 |
約2[m] |
河川 |
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