杣ヶ池(そまがいけ)。御嶽山の北麓、日和田高原にある森の中の小さな池です。
「杣」というのは「木こり」のこと。この池に伝わっている昔話に由来します。
この昔話というのがとても不思議で、私としては不本意ながら、池そのものの印象よりも昔話の印象のほうが強烈です。
池にあった説明看板を、そのまま書き写してみました。
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池の伝説
その昔 長者館(原家)に奉公する美しい娘「ちんま」は杣(きこり)の「小三郎」に恋し、会いたい一心で山へ行き、イワナに姿を変えてワリゴ(弁当)の中へ入っておりました。
小三郎は何も知らずイワナをのみこんでしまいました。するとのどが渇き、小川の水を飲み続けるうちに身体が急に変化し、キバ、角、ウロコを生じ、巨大な白龍に変身して大山鳴動し、大地が割れ池になりました。
また杣ヶ池(小三郎池)は雨乞いの池として知られています。この池から東へ七00米には湿原と化した
「ちんまヶ池」があります。
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・・・いかがでしょう?
「んなあほな」と言いたくなる気持ちはさておいて、まじめに分析してみようと思います。
「ある人が必要以上に魚(イワナな事が多い)を食べてしまい、龍に変身してしまう。そのときにこの池ができた。」という伝説は、あちこちの池で見られると思います。
これは良く「昔は食べ物が少なかったので、貴重な食べ物を独占してはいけない」という戒めから来ていると言われますが、私もそうだと思います。
ただ、魚になって弁当に入り込むというアクロバティックな手法は、この伝説以外では聞いたことがないです。いったい何を言わんとしているのか、なかなかに解釈の難しい話です・・・
池の主となった小三郎はともかく、ちんまはどうなってしまったのでしょうか。すぐ近くには、上記伝説のとおり
「ちんまが池」という湿原池がありますが
ちんまは食べられてしまいそのまま終わりなのか、それともちんまが池の主になったのか(だからそういう名前の池なのか?)、どうなんでしょうね。
杣ヶ池の入口。
上記伝説の白龍を祭る神社があります。