中郷御池
OIKE POND
隕石クレーター跡が残る御池山の、西側斜面に存在する静寂の池
訪問日:2014/10/13
長野県の南部、伊那地方は、全体的に天竜川の形成した谷の中にあります。その伊那谷の東側には、山脈をひとつ隔てて、もうひとつ谷があります。
ここは日本を南北方向に横断する巨大な断層、中央構造線が走っています。それゆえ、昔から交通の難所となっていました。
長野県飯田市の東部、かつて上村、南信濃村という自治体だったこの付近は「遠山郷」と呼ばれており、車で走っていても相当に山深き地だと感じることができます。
で、そんな山深き遠山郷から、さらに山道に分け入ったところにあるのが、しらびそ高原、そしてその南部に「御池山」があります。前置きが長くなってしまいましたが、とにかく山深いということが言いたかったのです。
御池山の由来は、その名のとおりお池があるから。そう、本節で紹介する「中郷の御池」です。
どうしてこのような場所に池を生じうる窪地が形成されたのかは不明ですが、地滑りか斜面の崩落か、なんらかの地形の変化があったのかもしれません。
雨水意外にほとんど流入のないであろうその池は、しかし水中の倒木が見渡せる、とても美しいものでした。なんらかの神秘的な雰囲気を感じざるをえず、それゆえか池のほとりにはその名も「池神社」が鎮座ましましています。
ちょっと、御池山に話を戻しましょう。
名前の由来は御池であっても、この御池山はどちらかというと御池のある西側斜面はあまり有名ではなく、東側斜面のほうがよく知られています。ずばり、御池山の東側斜面は隕石クレーターの外縁なのです。
いまから2~3万年前にここに落ちたという隕石。それが形成したクレーターの山。それが御池山のもっとも知られた顔です。
でも、この御池はなかなか素晴らしい場所です。ここにたどりつくのに道を間違えて、笹薮のなかで危うく遭難しかけました。それだけ苦労した故か、曇り空の下にみるささやかな池は、畔の紅葉と相まって、私に鮮烈な印象を残しました。
その山深さゆえ、ここに訪れる人はあまりいないものと想像されます。私にとってはお気に入りポイントとなった御池ですが、これからも静寂が支配する池であるのでしょう。
所在地 :長野県飯田市(旧上村)
湖の成因:-
周囲総長:-
面積 :-
最大水深:-
貯水量 :-
標高 :約1784[m]
河川 :なし